委員会議事録

≪山口質疑≫
 緊急通報システム──ケアライン119ですが,正直,私自身も,恥ずかしながら,今回の委員会まで知りませんでした。このシステムは,災害弱者が事前に登録さえしていれば,緊急時に自宅の固定電話からワンプッシュで消防局の方に通報できる。さらに,その通報時に病気や障害などの内容も通知されるというもので,私自身は本当にすばらしい事業だなというふうに思っています。
 そして,これが震災前の平成元年から,全国に先駆けて,そして消防局の職員の方の熱意で実現に至ったというお話をお聞きして,私も災害弱者の1人として心から感謝をしたいというふうに思います。
 毎年,数百件の新規登録があり,20年度末で6,761件の登録だということです。しかし,きっと必要としている人はもっといるのではないかなというふうに思いますし,もし財政的あるいは物理的に余力があるのであれば,もう少し積極的に登録を促していく必要があるのではないかと考えます。例えば,医療機関や福祉施設などと連携するという方法も考えられると思いますが,いかがでしょうか。


≪局長答弁≫
 ケアラインの方ですけども,これは今お話がありましたように,これは平成元年度からスタートしていまして,このケアラインのもともとの趣旨が,高齢者の方だとかそういったいわゆる災害弱者と言われるような方,これは条件があるんですが,既往症やかかりつけの病院,こういう情報をあらかじめ,これは消防局の管制室の中にケアラインの受信センターがあるんですが,そこに登録しておきますと,その方からワンタッチで情報が入ったときに,例えば,苦しくて物が言えなくても,どこのだれだれさんから連絡が入ったと,だから,救急車を出しますし,また,そういった情報も把握して救急隊に情報を流して,そういうシステムで,あわせて近隣協力者が駆けつけると,こういった工夫によって早く救護を受けられると,こういう制度がスタート──できたわけです。
 それで,その利用条件というのは5つあるんですが,例えば,ひとり暮らしの方で突発的に生命に危険な症状が発生する,こういった持病のある方とかいろんな条件があります。そういう方々が,今,登録して運用してるということです。
 現在──やはり当時スタートしたときは,希望者がたくさんいてなかなか全員にお渡しすることはできない,つまりケアラインの設置が難しかったと,そういうふうなこともあって,いろいろ工夫して3段階,つまり1段階目は,まずは元年度からはそのペンダント方式,これを胸に下げて,それで苦しいときにボタンを押すと,これがスタートしました。しかし,これは比較的に高額なこともありまして,もっと安くなって広く市民の方にお配りできないかなということで工夫しまして,これ,平成13年度から受信装置をナンバーディスプレー,こういうサービスに再構築したと。この結果,一般の電話,つまりコードレスの電話,これで短縮電話をかけることでペンダントと同じような効果が生まれるということで,非常に経費も節減できましたし,また希望者全員が登録できると,そういうふうになりました。そして,19年度から,これはもうペンダントと全く遜色のない短縮電話,こういった電話方式,一般の電話方式,これをすべての方々に切りかえて,今,運用してると,ただし,以前から端末,ペンダント型を持ってる方につきましては,本人からの廃止の申し出,あるいは引っ越し,そういったものがない限りは継続して利用していると,今,そういう併用期間というふうになっております。こういう3段階を踏んで,今,したがいまして,いつでもこういう5項目の要件に該当する方は,年中いつでも申し込みができるというふうに,通年募集ということも20年度から工夫して対応してるということです。
 実際にそういう方々の利用のいわゆる奏功例ですが,20年,625件の緊急通報があったと,その中で484件の救急搬送を行いました。と同時に,民生委員の方,近隣協力者の方が,駆けつけた方が274名ということで,実際に早く駆けつけていただいて,合いかぎで扉をあけていただいたり,あるいは救急車を誘導したり,そういった対応をしていただいてるということです。
 やはりこういうものっていうのは,今,委員からご指摘あったように,広く広報していかないと,やはり知らない人は申し込みできないということでは我々としても困りますので,毎年,申し込み,あるいはそういった書類等を7,000部作成しまして,特に,中心としましては各区の民生児童委員協議会,ここで説明をして,そして民生委員の方へお届けしていただいてる,こういうことをしております。それから,消防署,出張所,区役所,あるいは消防局のホームページ,ここからもダウンロードできるということで,あるいは保健福祉局との連携,保健福祉局がさまざま冊子等配布しておりますので,その中にも紹介していただいておる,そういうふうな取り組みです。
 それで,ただ,現状,若干,減少傾向にあるのは,やはり申し込みが通年になったとか,いつでも申し込めるとか,そういったこともあろうかと思うんですが,我々としては,そういうふうなことを知らなくて困ってる方がいたら困りますので,今後とも,広報等,力を入れていきたいというふうに思ってます。


≪山口再質問≫
 ケアラインの方なんですけれども,実は,このケアライン119についてある二次救の病院の先生にちょっとお話をしてご紹介をさせていただきました。それをしたら,私どもの病院の外来にひとり住まいの高齢者がたくさんいますと,彼らの役に立つのであれば,パンフレットをどうぞ置いてくださいと,受付にも言ってそれらの人々にお渡ししますというような心強いお答えもいただいています。また,病院にかかわらず,開業医の先生方や,あと薬局,そういうところにもご協力っていうのはいただけるんじゃないかなというふうに思っております。
 また,少し余談になるんですけれども,私自身が10年ほど前に,神戸ではないんですけれども,1人でひとり暮らしをしようと思ったときに,そういった部屋を探すのに物すごい苦労したんですね。当時,まだ,何というんですか,車いすでひとり暮らしをするっていう人がほかにもいなかったっていうこともあるんですけれども,それよりも,大家さんとかそういった不動産会社の方に言われたのは,もし火災や災害が起きたときに,車いすで自力で逃げ出せるんですかっていうことをいつも聞かれました。もちろん逃げ出せる自信はあったんですけども,やっぱり最悪のことを考えると,なかなか強気なことは言えないということで何十件も諦めて,幸いにも見つけることはできたんですけども,そういったことを思い出しますと,思い出したときにちょっと思いついたのが,そういった不動産関係の方にもご協力をいただいたらいいんじゃないかなというふうに思いました。
 先ほど火災報知器のときのお話で,兵庫県宅地建物取引業協会の方と何か勉強会をされるっていうことだったんですけども,まさにその協会の方と先日ちょっとお話をする機会がありまして,そこでもケアラインのお話を実はしたんですけれども,ぜひご協力させていただきたいという,ここでもお答えをいただいております。こうこう関係団体の方のご協力を得ながら,せひ普及していってほしいなというふうに思います。
 それから,そのケアラインについて,もう1つ提案させていただきたいのが,ケアライン119と災害時要援護者支援との情報共有ということについてです。
 ケアラインは個人の救急時には非常に有効ですけれども,災害時,特に大規模災害時などには,残念ながら,機能するかどうかというのもやはり人手の関係で,ケアラインが鳴ってもそこで対応できるかどうかっていう問題もあると思いますし,そういったとき,やはりそういう大規模災害とか災害時になると,やはり地域の方による要援護者支援ということになると思います。
 しかしながら,個人情報の保護の関係でなかなかそういった情報が集まらないのが現状で,地域によっては要援護者の世帯を1軒1軒地域の方が回って,それで同意を得て,それを名簿に記載するというような本当に地道な努力をされているそうなんですけれども,本当に集まらなくて大変だという話は幾つか聞きます。
 もちろんこのケアラインの情報ですが,ご本人の同意というのが大前提ですけれども,同意が得られれば,地域の方と共有をしていくことが災害弱者への対応がより迅速にできるっていうことにつながるんじゃないかなというふうに考えますので,その点,お聞きしたいと思います。お願いします。


≪局長答弁≫
 ケアラインの話でございますが,今,お話ありました広報というのは非常に大事で,医療とそういう福祉施設等との連携の中でチラシ等置いていただいてもというふうな,そういう話ありました。今現在,我々が取り組んでるのに加えて,例えば,一般のクリニックだとか,あるいはそういった老人福祉施設等で,やはりちょっとしたリーフレットを置くことで,我々がつかんでると思っている以上の方がひょっとしたら漏れてる可能性がありますので,ぜひそういうことも工夫をして考えていきたいと。やはりこういった制度をすべての方が知っていただくというのが大事なことなので。しかも,要件さえ該当すれば,すべての方が申し込めると,そういうふうなことで,やはりこれは緊急出動時も当然功を奏するわけですが,日ごろの安心感,やっぱり何かあったときにそれを押すことで救急車がすぐ来てくれると,やっぱり日ごろの安心感を持っていただけると,そういうふうに思いますので,ぜひそういったことも,今,アドバイスいただきましたので,そういう広報もしていきたいというふうに考えてます。
 それと,やはり今こういったケアラインの情報などを地域で共有していけば,やはりいざ災害のときにスムーズにみんなで助け合うことができるんじゃないかという話がありました。まさしくそのとおりで,こういう情報をですね,やっぱり一番大事なことは,今の時代,個人情報の取り扱いということで,このケアライン情報も,やはり既往症だとかいろんなことが情報としてあるわけです。したがって,今,私どもが今のお話の中で,やはりケアラインだけというんじゃなくて,神戸市のすべての個人情報の取り扱いの中,つまり,例えば,ひとり暮らしの高齢者の方だとか,身体障害者の方,あるいは知的障害者の方,外国人の方,地域にはやはり災害時に要援護者と言われる方々がいらっしゃるわけですから,そういう全体の枠の中でのあり方を考えていきたいというふうに思います。
 現実に,東灘区の魚崎の防災福祉コミュニティでは,そういう情報を,本人の同意のもとに,何かあったら助けたいと,いわば,助ける側も登録して,助けられる側も登録して,そういったシステムを今魚崎はつくってます。しかし,この個人情報を全防災福祉コミュニティの住民が共有するというんじゃなくて,自治会長とお助け隊のメンバーだけが共有すると。そこまでこの個人情報については慎重に取り扱っていると。そういう中で,今,危機管理室が中心となって各地域にそういった呼びかけをですね,この魚崎の防災福祉コミュニティみたいな活動を呼びかけてると,そういうふうな現状があるんですが,このケアラインの知識の情報も,やはり地域の大きな災害時であったりそういったときは,大きな──情報としては大事な情報だと思います。ぜひ,最初申しましたように,地域全体の災害時の要援護者対策としてこのケアライン119も位置づけ,そういうことを,今後,危機管理室と連携とってどういうふうにできるのか考えていきたいというふうに思います。今の進みの中で,ケアラインの知識の情報も本人同意,そして,その情報も限られた方と,そういうふうになれば,ひとつの──今理事がご指摘の話になろうかと思いますので,そういうふうなことも今後我々も検討していきたいというふうに思ってます。


≪山口再質問≫
 ケアラインの方なんですけれども,地域の方でそのケアラインの情報を共有するということは,非常に難しいことであるんではないかなと想像をするんですけれども,実際にやはり先ほど魚崎の例もありましたけれども,本当に地域の方が努力をされて,やっと少しずつ集まってきてというような形で進んでいることもありますし,また,実は,先月,西区の区民センターの方で,市長も来られて,これからのまちづくりを考えるシンポジウムが開催されました。
 そこで,西区まちづくり会議の安心・安全部会の部会長であります西消防団長からいろいろそういった災害時の要援護者についてのお話があったんですけれども,本当に把握するのがとても難しいんだということをおっしゃっておられました。
 そこで,先日,実は,また西消防団長とお会いする機会がありまして,私がきょうこのケアラインの情報を地域の方と共有できないかということを考えていますというふうにお話をしましたところ,いや,それはとてもありがたいことだと,特に西区は消防団の組織がしっかりしておりますので,やはりそういった消防団の方に情報を提供さえしていただいてたら,何かのときにもういち早く駆けつけることができる,その自信はあるというふうにおっしゃっていました。ほかにもですね,消防団のほかにも,そういった防災福祉コミュニティがとても活発に活動されているところもありますし,1つのこれも提案なんですけれども,例えば,西区をモデル地区にして,こういった試み,そういったケアラインの情報を地域の方と共有していくっていうことも,ひとつ考えていただけないかなというふうに思っています。


≪局長答弁≫
 消防団のですね,やっぱり特に消防団は地域に密着した活動をしてるわけですから,そういう方々をいち早く何かあったら助けたいと,そういうふうな気持ちでそういう話だったと思います。
 私たちも気持ちとしてはそういうことなんですが,ただ,この進め方としまして,やはり神戸市全体の個人情報という取り扱いの中で,あるいは地域の方の,そういった魚崎の例にありますような,ああいった本人同意,そして,その情報を一定の方で把握して,いざのときにはそれが功を奏するといったですね,やはりそういった手順なりは踏んでいきたいと,そういう意味で,我々も西の消防団長とも時々お会いしますので,そういうですね,理事からそういう話もあったこと,あるいは今の神戸市のこういった場合の進め方,これにつきましては,危機管理室から,こう,リーフレットがございますので,そういう中で地域で取り組んでいただける,そういうふうになれば実現できるわけですから,ぜひそういうことも情報提供して,今後,消防団とも連携を図っていきたいなというふうに思います。