少子化問題について、次世代の子供たちへの働きかけの提言
本会議議事録


≪山口質疑≫
 1点目に,子育て支援のあり方についてお尋ねいたします。
 子育てと行政にかかわる仕事をさせていただき,私自身が感じたことが3つあります。1つ目は,子育てをする環境は,経済的にも治安の面でも,昔に比べて非常に悪くなっているということです。2つ目に,子育て支援の行政的ニーズが非常に多様化しているということです。3つ目に,行政が頑張っている割に市民の満足感が得られないということです。
 神戸市は,平成17年度に策定した次世代育成行動計画をもとに,123もの子育て支援事業を展開されています。19年度に行ったアンケート調査によれば,保育施設や何らかの行政サービスを利用している約8割の方が,満足していると答えているにもかかわらず,乳幼児健診時に実施したアンケートでは,神戸市の子育て支援事業に対して,8割以上の方が満足していないとのお答えでした。
 一般会計の民生費の児童福祉費に注目してみると,神戸市ではここ数年子育て支援に特に力を注いでいることが証明されます。例えば,待機児童解消のために認可保育園の定員を2,000名以上ふやしたことから,延長・一時・病後児など多様な保育サービスを実施,あるいは実施箇所の大幅な拡充,地域の子育て拠点の整備,さらには児童手当の大幅な拡充も行っています。
 これらの事業に投入された,いわゆる児童福祉費は,5年前の平成14年で約336億円,平成19年では約471億円,この5年間で,一般会計全体は14%の減少だったのにもかかわらず,児童福祉費は47%の増加ということになります。出生数は減少傾向にあることから,いかに子供1人にかけられている費用がふえているか,よくわかります。
 子育て世帯から寄せられる要望の大半は,要望した時期から大幅におくれて実現する,あるいは既にニーズが変わってしまったころに実現しているのかもしれません。それならば,今後の子育て支援のあり方を考える際,次世代の声を聞いてみてはいかがでしょうか。この先10年ぐらいの間に子育てをするだろう次世代の方々に,神戸市にどんな支援をしてもらったら,神戸で子育てをしたいと思えるのか,アイデアを出してもらうのです。子育て支援の長期的な計画を立てる上では,とても効果があるのではないか,また,思春期の子供たちにとって,自分のライフプランを考えるきっかけになり,将来に具体的な希望が持て,少子化に歯どめをかけることもできるのではないかとも考えます。市長または関係当局のご見解をお伺いします。


≪市長答弁≫
 まず,子育て支援の関係でございますけれども,この子育て支援に関して,次期の計画づくりに当たりまして,次世代の声を聞くということが必要ではないかというご指摘でございます。こういった点は,今のこの計画そのものの段階でも,そういった状況に対して市民の声をお聞きしてございますが,さらにご指摘のような点を踏まえて検討をする必要があろうと思っております。
 少し経緯を申し上げますが,平成17年の策定の,この神戸っ子すこやかプラン21と言っておりますが,これでは123の施策とおっしゃいましたが,これを位置づけております。これまでの仕事と子育ての両立支援とか,あるいは要保護児童への対応といった点にとどまらず,この計画では在宅育児家庭を含めたすべての子育て家庭の支援を進めようというふうにしていったわけでございます。
 この計画を着実に遂行していくということが大事でありますから,それに対して推進協議会を設置をいたしまして,事業の進捗なり,あるいは評価ということを検証作業として行っております。
 19年度の検証では,施設利用者,また市民,あるいは企業というふうに,それぞれにアンケートをいただきまして,現状がどう推移しておるか,また,その行動計画はうまく進捗しておるかということを照合しながら,成果と課題の摘出を行いまして,ことしの9月に検証報告がまとめられたというところでございます。
 ご指摘のように,施設サービスの利用者に対しますアンケートに関しましては,相対的に満足度が高くなっている。これは実際にご利用になるわけでありますから,そうなることは当然かと思いますが,乳幼児の健康診査の場をご利用いただいていらっしゃる市民の方へのアンケートでございますが,この場合には,大体健診を受けていただく際には,4カ月とか6カ月とか,あるいは1歳6カ月とかいうふうな状況の時期が多いわけでございまして,そういう中で市民アンケートで,ここ2~3年で子育て支援策が充実してきたでしょうかというふうな問いかけに対しましては,余り充実しておるというふうなお答えはちょうだいできていないというのが現状でございます。
 こういった点では,やはり今後,この市民アンケートにおきます内容の問いかけについて,私は工夫がいるというふうに思ってございます。
 特に,市民によく認知された計画であるということが必要でございますから,そういった点で次期の行動計画につきましては,ご指摘のとおり,できるだけ市民のご意見をお聞きして,そしてまた,先ほどおっしゃいました,まさにこれから10年先に親になるという時期を迎える人たちの声もよく聞いて,やっていく必要があるというふうに思っております。
 私は,子供たち,中高生と「しゃべりば」というのをやっておりまして,そのときに相当,率直な意見をよく聞かしていただくんですが,そういった場も活用しながら,今後ともそういう人たちに限らず,幅広い年代を対象に──年齢階層を多分野にというふうに申し上げた方がいいかもわかりませんが,ニーズを的確に拾っていくという意味で,大規模なそういうニーズ調査をして,そして今期の計画の検証結果と合わせてみて,どういうふうな点が次のこの計画に盛り込まれるべきものかということを,実際に検討していきたいというふうに思っております。
 その上で最終的にパブリックコメントをちょうだいしまして,そして意見を反映しながら,市民がみずからも参画しておるというふうな実感を感じられるような計画づくりに進んでいきたいと,このように思っております。