医療的ケアを含む重度障がい児を受け入れる保育施設への理解
本会議議事録


≪山口質疑≫
 子育て支援についてもう1点お聞きします。
 大きな課題である保育についてであります。市長も公約に掲げていらっしゃる認可保育園の待機児童ゼロ対策をはじめ,保護者の多様なニーズにこたえるために,ご尽力いただいていることを,保護者の1人として感謝したいと思います。
 しかし,待機児童の問題に象徴されるように,そのために莫大な費用を投入したとしても,なかなか効果が見えないどころか,新たなニーズを生み出し,さらに単年度の事業ではないがために,運営費等の経費も年々増大していきます。
 私たち保護者は,つい自分の家庭や子供のことを先に考えてしまいがちですが,その保育にかかる莫大な費用の大半は,サービスを受けていない子育てとは関係のない方々からの税金からも賄われているという点も,私たち自身認識しておかなければならないことだと思います。また,その陰で認可保育園に入りたくても入ることのできない方,認可外の保育園に行っている方,在宅で育児をしている方にとって,子育て支援そのもののあり方がフェアではないという点も頭に入れておかなければならないとも思います。
 さて,この1年,私は保育のさまざまな現場を見せていただき,行き着いたところが,認可外ではありますが,重度の障害児をも受け入れている保育所でした。そして,私はそこで衝撃を受けました。正直なところ,障害のある子供さんは,ご家庭で一番安心した場所にいられることが一番よいのではないかと,私は勝手に考えていました。しかし,その保育所を見て,そしてスタッフの方からお話をお聞きし,障害児こそ保育施設が必要であることに気がつきました。
 神戸市においては,すこやか保育,いわゆる障害児の保育が昭和53年7月より開始されています。この事業は時代を先読みした保護者の目線に立った事業であると思いますし,30年も前から行っていたことに,神戸市行政に対して心から敬意を表したいと思います。
 ただ,これからは障害児の保育ニーズ,特に医療的ケアが必要な子供たちの保育ニーズが徐々にふえてくるだろうと推測します。また,これまで一生懸命ご家庭で重度の障害児をケアして来られた方に保育施設という選択肢を用意したい,気軽に利用できる環境を整えておきたいと私は考えています。
 子育てや介護の経験のある方なら,血がつながっているとは言え,24時間・365日の,しかも気の抜けないケアがどれだけ大変なことか,想像できることと思います。自分が病気になることも,ぐっすり眠ることもできないのです。医療的ケアが必要でも,集団保育が可能と判断されたお子さんが,ご家庭が望めば気軽に保育施設に預けられる環境づくりが,これからとても重要になると考えます。
 しかしながら,そのためには専門の看護師を配置しなければならず,保育に関心があり,かつ小児経験のある看護師を探すことも至難のわざです。ならば今,現状で医療的ケアを含む重度障害児を預かる保育所と連携をとるなど,柔軟な対応を検討していただけないでしょうか,ご見解を伺います。


≪副市長答弁≫
 まず,子育て支援に関連して,この障害児保育について,現在,既に医療的ケアの必要な子供を預かっている先の保育所との連携など,柔軟な対応を検討してはどうかと,こういったご質問でございますけれども,本市におきます障害児保育につきましては,すこやか保育制度として,昭和53年度に実施をする保育所を指定して,事業を開始をいたしました。
 その後,利用者であります児童,あるいは保護者の利便性の配慮から,現在では市内の全保育所で入所できるよう拡充を行ったところでございます。平成12年度からは,重度障害児についても入所できるように対応いたしておりますし,また,平成14年度からは従来おおむね3歳以上としておりました入所の年齢要件を撤廃をいたしまして,より一層の制度の拡充を図ってきたところでございます。その結果,現在すこやか保育の対象となります入所児童数が,この9月現在で468名になっておりまして,そのうちの35名が重度障害児でございます。
 このすこやか保育につきましては,認可保育所で実施をする以上,その前提として保育に欠けるという要件を満たしておることが必要でありますし,なおかつ他の児童との集団保育を行えることを前提といたしております。
 病気や障害のある児童の場合に,当該児童が保育所での集団生活に対応できるかどうかにつきましては,必要に応じて当該児童の主治医なり,専門医の意見を聞いて判断をしているところであります。したがいまして,集団保育が可能と判断された場合につきましては,認可保育所への入所が可能となってまいります。
 ご指摘のこの認可外保育所でございますけれども,これにつきましては,今現在,認可外の保育所が市内で132カ所ございますけれども,これらにつきましては,それぞれの施設において,認可保育所にはない独自の保育方針のもとで保育を行っていただいております。ご指摘の重度の障害児を保育する認可外の保育所につきましても同様と理解をいたしておりまして,このような認可外保育所に対しまして,子育て支援の観点から,今後どのような連携ができるんか,こういった点につきまして少し検討をしてまいりたいと,このように思っております。


≪山口再質問≫
 副市長の方からご答弁をいただきました,重度障害児に対する保育についてであります。こちらはこれからどのような連携ができるか,その認可外の保育所とどのような連携ができるかを検討していきたいというお答えをいただきました。
 もちろん平成10年度から重度障害児と呼ばれる方を受け入れている,そして現状で,35名の重度の障害児を受け入れているという現状はよく把握しております。ですが,その中に医療的ケアが必要な子供さんがどれぐらいいるのかなという部分で,私が知る限りでは,今のところはちょっと受け入れが難しくて,受け入れられてないという状況にあるというふうに,現場の方からはお聞きをしています。
 もちろん障害のために保育所,集団生活が難しいという場合は除いたとして,集団保育が可能であって,ご家族が望む場合に,できればそういう選択肢を私は用意したいなというふうに思っています。この医療的ケアの子供たちの問題というのは,保育にかかわらず,ちょっと前には教育現場でもこんな問題が起こったと思うんですね。特別支援学校以外の市立の学校でも,平成14年から15年ぐらいに初めて看護師さんを配置して,医療的ケアの必要な子供たちを受け入れたというふうに聞いておりますし,その対応には本当に感謝をしています。
 ただし,やっぱり,これは私もいろんな方からお話をお聞きする中で,ある知的障害者の息子さんを持つお母さんにお話をお聞きしたんですけれども,やっぱり就学前こそ障害児を持つ親にとっては,とても大事な時期であるということをおっしゃっていました。やっぱり親となるということと,障害児を持ったという,やっぱり2つの──ただでさえ親になるということだけでもすごくやっぱり負担──負担というか,精神的・体力的にもすごく負担のかかる時期で,しかもやはり障害を持っているという点で,すごく心身ともに相当な負担がかかる時期──就学前というのはかかる時期であって,やはりその時期のサポートを受けれるか,受けれないかというところで,親子ともども,その子供が健全に人生を送れるかどうかというのが,すごくかかわってくる重要な時期であると私は,そのお話を聞いても思いましたし,また,ある養護学校,特別支援学校の元校長先生にお話を伺ったことがあるんですけれども,やはりそういう特別支援学校に通われている保護者の方の多くは,子供さんが小学校の5〜6年生になってくると,ようやくお母さん,保護者の方も精神的に落ちついてこられるということは,それまではやはり不安定な方が多い。
 今ちょっと話題になっています,親が子供を殺してしまうとか,そういう事件が多発していますけれども,その今起こっている事件がこのことと関係あるかないかはまだ明らかにはなってないところなんですけれども,でも,いずれにしても言えることは,やはり就学前にできるだけ──就学前なり,できるだけ早期の障害児の保護者へのサポートというのが,いかに大事かということを,私はいろんな方からお話をお聞きして感じたところであります。
 これからどのような連携ができるか検討していただけるというお話なんですけれども,やはりその就学前のお子さんへの対応の重要性について,もう1度ご意見なりご見解をお伺いをしたいというふうに思います。


≪副市長答弁≫
先生のご指摘の認可外の保育所というのは,今,西区にあります,この認可外の保育所でありまして,小規模の定員12人の入所定員の認可外保育所で,障害者の方が,重度障害になりますか,3名ぐらいいらっしゃるというふうにお聞きをいたしておりまして,私が先ほど申し上げましたのは,認可保育所にすこやか保育として預かるという前提は,やはり保育に欠けるという,ご両親が働いておられたり,そういうふうな形で,現実に保育に欠けることが1つ大前提の要件でありますし,もう1点は,やはり主治医の集団保育になじむかどうか,この判断をしていただき,そして主治医がこの集団保育になじむと判断をした場合に,いわゆる今の認可保育所での保育を,いわゆるすこやか保育をやらしていただいておると,こういうわけでありますから,重度障害の方の場合は,親御さんがつきっきりでおられる方も多いわけでありまして,そういった状態が保育に欠けるという,認可保育所の入所条件にかなうかどうかいう点もあると思います。
 そういった意味で,先ほど132カ所と申し上げましたが,今認可外保育所に入所されていらっしゃる中で,どの程度障害をお持ちの子供さんがいらっしゃるか,こういった点については,まだ把握をしておりませんので,そういった点につきましても,少し実態を調べてみる必要もあるんじゃないかなと,このように思っておりますんで,あくまで認可保育所としてのすこやか保育については,今申し上げたような2つの要件が満たされませんと,認可保育所への入所は認められないわけでありますから,そういった以外の部分につきまして,先ほどご答弁申し上げましたように,認可外についてはそれぞれの独自の保育方針でやっていただいておりますんで,ご指摘の保育所につきましても,重障の子供さんを保育をしていただいているということはよく承知をいたしておりますんで,こういった点を踏まえて,どのような形での,子育て支援の観点からどういった支援ができるか,これについては少し研究をしてまいりたいと,このように思っております。


≪山口要望≫
 今,副市長の方からご答弁をいただきました。2つの要件,保育に欠けるということと,主治医の許可がないとというお話なんですけれども,もちろんその要件にも見合って,しかも保護者もそういう施設を利用したいと望んでいらっしゃる方が現実いるという話を,私は現場の方からは聞いております。ですので,今現状でその認可保育所の方の申請をされていなくても,今後そういう方が申請をされる可能性は十分に考えられると思いますし,その点ご理解をいただきたいという点と,あと,保育に欠けるという部分に関しては,私もいろいろ調べましたところ,今規制改革会議の方で,保育に欠けるという要件の見直しというのもなされているようですし,ますますこの要件がまた変わったら,そういった方のニーズというのはふえてくると思いますし,ぜひそういったニーズがあるということをご理解をいただければなというふうに思っています。
 そういった,私もまだ保育の現場にしても,特別支援学校にしても,まだこの1年ほどいろんな現場を見せていただいて,やはりその重要性というか,保育にしても,教育の現場にしても,とてもその子たちにとっては人生を左右するような現場であるというのは,私も肌で感じさせていただきました。
 そして最後に,ぜひ市長なり関係当局の方にお願いをしたいことがあるんですけれども,もちろん本当にご公務多忙でいらっしゃるとは思うんですけれども,もしその公務のついででも構いませんので,そういった障害児がどんなふうに生活しているのか,もしくはどんな支援を受けて──今現状で支援を受けているのか,例えばそういう保育所なり現場の方にぜひ足を運んでいただいて,何か感じ取っていただきたいなというふうに思っています。そういった感じたことなり,見て──ごらんになって感じられたことを,ぜひ今後の政策の方に反映していただけたら,ありがたいなというふうに思っています。
 以上で,質問の方は終わらせていただきます。ありがとうございました。